脳神経障害



アルコールは短期的・長期的に脳神経に障害を与えてしまいます。
短期的な障害で最も多いものが急性アルコール中毒です。これは脳中枢へのダメージが大きくなるのですが、その危険度は一酸化炭素中毒と同じくらいです。
アルコールを摂ると血中アルコール濃度が増し小脳が麻痺してきます。そうなると運動機能へ影響して起立や歩行が困難になってきます。
そして一気飲みなどで急激に大量のアルコールを入れると、生命活動の源である脳幹に影響してしまい、呼吸困難や意識不明の状態になり最悪の場合は死に至ることになります。
コンパなどで盛り上がるのはけっこうですが、お酒に弱い人に無理に一気飲みを強いるのはやめましょう。


脳は歳を重ねるごとに自然に萎縮してきます、ですがアルコールを長年飲み続けてきた人の脳は普通の人よりも早く萎縮が始まり、萎縮の程度も強くなっています。
この脳萎縮が人間に与える影響は実に多くあり、前頭葉の萎縮では判断力や集中力の低下。また面倒なことを避けるようになり、社会のルールやマナーを平気で無視するようになります。
記憶をつかさどる海馬という部分の萎縮があると、記憶力の低下になります。自分が何をしていたか思い出せなくなるなど、物忘れがひどくなってしまいます。
これは判断力の低下にもつながり、新しいことへの対応もできなくなって優柔不断な性格にもなりかねません。


そして脳萎縮による記憶力や判断力の低下、それはアルコール性痴呆の初期症状にもなります。
痴呆が進むと脱力感・無関心・うつ状態などの症状が出てきて、悪化すると今の日時や場所がわからなくなったり(失見当識)などに発展することもあります。


アルコールを長年飲み続けるとビタミンB1が欠乏してきます。その欠乏によってウェルニッケ症候群コルサコフ症候群という脳神経障害につながってしまいます。
ウェルニッケ症候群が発症すると、眼球の運動障害・失調歩行・意識障害、コルサコフ症候群はウェルニッケ症候群が回復するときに発症すやすく、記憶障害や失見当識などが生じてきます。


またアルコール依存症と診断されたほとんどの人が不眠を訴えます。
これもアルコールが睡眠をコントロールする神経に影響を与えているためだと考えられます。1ヶ月も断酒すれば改善されますが、個人差があり全員が治るわけではありません。


最後にアルコール依存症になっている人の20%が末梢神経障害になっています。
初期症状は手足の痛みや時に激痛が走るのですが、代表的な症状は手先や足先が痺れたり動かせなくなるものです。中には筋肉まで影響してしまい歩行困難になる人も少なくありません。


このようにアルコールは脳神経に多大な障害を残してしまうものなのです。
人格が崩壊してしまうと人間関係の崩壊にもつながり、仕事にも家庭にも悪影響を与えてしまいます。自分の中で断酒日を決めて、アルコールは適度に飲みようにしましょう。